熊本県立球磨工業高校様で講演を行いました

 12月18日、熊本県の球磨工業高校で「BIMで拓く建設業界の未来」をテーマに講演を行いました。建設業界を目指す高校生や教員の皆さんに、デジタル技術がもたらす変革と新しいキャリアの可能性についてお話しする機会をいただきました。
 熊本県立球磨工業高校様は熊本県の人吉市に位置し、「機械科」「電気科」「建築科(伝統建築コースを含む)」「建設工学科」などの学科があり、全国でも珍しい伝統建築コースを設置されています。
 
 建設業界では、国の推進策やDX化の流れにより、BIM(Building Information Modeling)の導入が急速に進んでいます。BIMは、建物の三次元モデルにコストや性能、管理情報などを付加したデータベースで、設計から施工、維持管理までライフサイクル全体を一元管理できる革新的な仕組みです。従来の図面やCADとは異なり、干渉チェックや工程シミュレーション、コスト管理、維持管理まで対応できるため、工期短縮や品質向上に大きく貢献します。

 講演当日は、工業高校ならではの熱気を感じました。生徒の皆さんからは「BIMって初めて聞いたけど面白そう」「地方でもこういう仕事ができるんだ」という声があり、具体的に将来を考えていらっしゃる生徒さんもいらっしゃって、「その職業に役に立つか、どのように役立てるか?」などの質問も寄せられていました。キャリアに直結するテーマへの関心の高さを実感しましたし、教員の方からも「授業に取り入れるにはどうすればいいか」という相談があり、教育現場での導入への期待を強く感じました。
 
 日本のBIM導入率は58.7%に達し、業界標準への転換点を迎えています。しかし、地方ではまだ普及率が低く、初期投資や人材不足が課題です。当社では熊本県天草市で自治体と連携し、BIM教育事業やリモート参画モデルを構築してきました。地方にいながら首都圏の大規模プロジェクトに参加できる仕組みを整え、雇用創出やU/Iターン促進、公共施設の維持管理や防災への応用など、地域に新しい可能性を広げています。

今回の講演を通じて、球磨工業高校の生徒さんが建設DXに興味を持ち、未来の担い手として活躍してくれることを願っています。当社も引き続き、地域と連携しながらBIMの普及と人材育成に取り組んでいきます。

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